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□■ 絵 心 の ま ま に □■





第一章:ボクの履歴


第五節:意外な展開


高校(正確には高校ではなく、専門学校の高等部。

高校卒業資格は別の学校での日曜スクーリングと通信教科によって取得する事になる)

に入ると、まず普通科電気コースに入れられました。入れられましたと言うのも、

普通自らが受験の際に選択するものなのですが、この学校は取りあえず入学してから

しばらくして、どの科に入るか選択するシステムが用いられていました。

このシステムがボクには大変好都合でした。と言うのも入学後に告知された中に、

後期よりデザイン科が発足されると言う内容があったからです。

中学でアニメーションにうつつをぬかし、

熱が冷め切っていたボクに新たな希望の道が開けた様な感覚でした。

事実、このシステムのおかげでボクの現在があると言っても過言ではないと思います。

まさに直接的に将来の進路を取り決めるきっかけとなった訳ですから。

デザイン科に編入してからは、もう毎日が息切れする程の絵画やらデザインの概論やらで、

本当に充実した日々を過ごしました。中学で初めて知ったレタリングも、

書体の多さに目をクリクリさせて必死に特徴を覚え、またその中で検定が必修科目としてあり、

ボクは高校3年間でその検定の最高級(一級)を取得しました。

(パソコンが普及している今となっては、もう“無用の長物”的資格ですが)その他に、

本格的な鉛筆デッサンやポスター作成、また製図学等デザインにおよそ必要とされる事柄を

毎日毎日学びました。ここで“絵描きでは食べていけない”は否定要因ではなく、

じゃあどうしたら良いのか?に変わり、やがて“将来はグラフィックデザインを手掛ける人”

と夢はより現実的で可能な進路へ膨らんでいきました。

そして同じ学園系列のデザイン専門学校へ進学しました。

専門学校ともなると、高校までのそれにかなり詳細な根拠や定義、

また技法と言ったたしかな裏付けをとことん学ぶ事となります。

ですが、ここで一つ大きな落とし穴がありました。

(これはボクの体験ではなく、当時同じクラスメートの一人が体感したであろう事柄ですが)

一口にグラフィックデザイン関係と言ってもいろいろあり、例えば、

グラフィックデザイナー, 広告プランナー, CGオペレーター, イラストレーター,

フォトグラファー等まだまだあげればきりがない程の種類があげられます。

その中で、はたしてグラフィックデザインの何をしたいのかをある程度

自分の中に持っておかないと、せっかくの時間を無駄に過ごす事になるのです。

明白でなくてもある程度、どんな感じになれたらいいな位は持っておきたいものです。

逆にそういったものが、ある程度決まっていたらいろいろと話は早いのです。

例えばボクは当時イラストレーターを志望していました。

となるとやはり興味の対象が技法や感性に集中します。

学校のカリキュラムには技法研究なるものがあり、

そこで自由に技法について考え、したためる事が出来ます。

また講師も実際の現場のイラストレーターやデザイナーが行なっているので、

その方達の話や作品また街の広告等を観て感性を養ったりと、

そこで自分が“どうすれば良いのか”を重視出来るのです。

別に重要視していない科目はおろそかにする事を薦めてはいないのですが、

ただ目的があれば見据える方向がおのずと定まると言う訳です。

イラストレーターの仕事内要は講師からいろいろと聞きます。

ボクは自分なりにどうあるべきか模索しました。

まず、自分の考えをたしかな表現で見せるには、正確な技法が必要と考えました。

そこでボクは、クラスメート達よりもとにかく多くの課題作品を作ろうとしました。

多くを作り、技法に慣れて体得しようと思ったのです。

これはたしかにボク的には成功しました。

けれども専門学校にもなると、クラスメートの中には既に技術的に優れた人もいます。

正確な技法だけでは実際問題勝負にならなくなってきたのです。

“別に勝負しなければいいじゃない!”と言えばそれまでなのですが、

その勝負に負けるもしくは勝負にならないって事は、

実際のデザインの現場において突起したものがなく(デザイン的に優れていない)、

仕事の依頼は望めないと言う事につながる訳です。

ボクはまずそのクラスメートの真似事から入りました。(かつて小学校の時にした様に)

そしてそれまで以上に街中へ目を向ける様になっていきました。

街には最新の情報がいっぱい飛び交っています。ボクはその中で、

自分の感覚に“スゥーッ!”と自然に入ってくるモノに旺盛に興味を抱き、

少しでも自分の中に取り入れようと勤めました。あと構成の研究にも力を入れました。

(グラフィックデザインはおろかどんなデザインにも構成力は不可欠)

基本的な構成の組閣は具体的に教えてもらえますが、その先は各自で開拓するしかありません。

それには原則があって、“モノ(デザイン上の)には全て主・従・補という関係のもと

なりたっている”や、“点と線の関係”“ネガとポジ”等絶妙な関係の中にデザインは

なりたっているのです。この構成力は絵を描く場合でも大いに役立ちます。

そしてそれらを学ぶうちに、“イラストレーターになる為にもデザイン的なセンスは

必要不可欠である”事に気が付き、いっそう学ぶ事に力を注ぎました。

具体的な事はいずれまたお話するとして、

確かな技術に豊かな感性を身につけていく中、今でも自負している

“いくらアイデアが良くてもそれを自分の手で正確に表現(制作)出来なければ嘘だ”

と言うのがボクの信条に。だって自分のアイデアなのに自分で手掛けて作り、

完成させられないなんて寂しい事ではないですか。

勿論それらを作るにあたっての障害は避けては通れません。

でも、自分が創造したモノを完成させる為であれば、

そんなハードルは飛び越えられるはずです。昔からよく言われているでしょ。

“好きこそモノの上手なれ”と。好きであればこそ物事は上達するのですよ。

本当に!それでもやはりボクはラッキーでした。

自分が望むであろう進路が幸福にもむこうから待っててくれたんですから。

(結果的にそう言う様にみてとれるかたちで進めれたんです)

これはもうラッキーとしか言い様のない偶然と申しましょうか、まさに意外な展開でした。

この様にしてボクは2年間専門学校で過ごし、

卒業後“親の七光り”ならぬ学校の七光りで無事就職する事となります。


                                     2002年7月執筆




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